甘い唇は何を囁くか
覚えてる…分、その言い方が憎らしい。

宗眞はこんなに、私のことなんかどうでもいい、むしろ嫌われてるんじゃないかって思わされりような態度で突っかかってくるくせに…。

あんなふうに抱かれたくなかった。

どうせ儀式なら、儀式らしくシてくれれば良かったのよ。

そしたらーこんなに…。

「嫌い…。」

宗眞に掴まれた腕を見やり言う。

宗眞は、にんまりと不敵に微笑した。

「へぇ?」

の、わりに。

と続く言葉がその表情の先に見えた。

嫌い…嫌いだ。

何もかも、思い通りになるって思ってる。

宗眞は、本当に自分の不老を失うことなんか、どうとも思っていないんだーー。

ううん。

もしかしたら、最初から…私を仲間にする気なんて…。

「心配すんなよ、約束はちゃんと守る。」

また、考えの先をよんで言う。

何なの、どうしてー。

「お前の考えてることくらい、分かるって。んで、風呂は?」

遼子は、ふてぶてしく頷いた。

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