甘い唇は何を囁くか
体が燃える。

「あっああああっ!」

遼子は悲鳴を上げて、シーツを掴んだ。

何、何これ・・・!

頭が割れる。

身体がバラバラになる。

火がついたみたいに熱くて、灼熱地獄・・・否、地獄だ。

地獄にいるんだ。

そう思って、がくがくと身体を震わせた。

「遼子!」

ベッドの上で誰かの声がした気がした。

けど、そんなのに構ってはいられない。

ベッドからずり落ちて、這い蹲りながら身悶える。

まるで獣のように、咆哮を上げて。

「ああああっ!!!」

助けて、助けて誰か・・・!

誰でもイイから―。

私を助けて・・・・・・・・・・・・
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