甘い唇は何を囁くか
なるほど・・・ね。
「じゃあ・・・俺にもまだチャンスはあるってわけだ。」
・・・無言のままシスカが振り向く。
「あんたと俺、遼子がどっちを選ぶか、まだ分かんねぇって、ことだろ?」
「・・・もう一度言ってみろ。」
にまりと笑って言う。
「いいぜ・・・?何度でも言ってやるよ。」
俺たちを見て、青い顔をしている遼子に視線を移す。
顔も知らないでっかい男ふたりが、いきなり自分の部屋で訳分かんねぇ会話を繰り広げてるんだから、その顔は当然だ。
けど、そんなこたぁおかまいなしだ。
背筋を駆け上がるおっさんの殺意は、置いといて宗眞はにまりと微笑んで言った。
「俺は、あんたが好きだ。あんたが欲しい。」