甘い唇は何を囁くか
血だ。

血の香りを感じているのだ。

はじめての吸血・・・その時が近い。

シスカは足早に遼子の傍を目指して歩き出した。

「お!何だ何だ、ついに声かけんの?」

「うるさい、お前はついてくるな!」

思わず声を荒げて命じるように言った。
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