甘い唇は何を囁くか
第7章「The 3rd times」
昨日食べたクレープ、モチモチした焼いた生地にサワークリームがたっぷり入っていてとっても美味しかった。
遼子はホテルのロビーにいた。
あの、恐ろしくも忘れられない夜から、ほとんどホテルを出ていない。
昨日は昼間の内に近くのショッピングモールに出かけたのだが…。
背の高いサングラスをかけた男が歩いているのを見ただけで、ドキっとして足を止めてしまう。
もう、会わない。
もう、逢えない。
あの人、何才だろう。
何をしてる人だろう。
ずいぶん落ち着いた雰囲気だし日本語もすごく上手だった。
けど、あんな外交官やホテルマンはいないだろう。
どこかの会社の若社長とか…どちらかというとそういう感じだ。
そこで、はっとする。
「違くて!」
部屋で1人でいると悶々としちゃうから、ここで昨日食べたクレープの事とか考えながら時間を潰そうと思ったんじゃなかった?
まったく、油断も隙もあったもんじゃない。
とにかく、もう考えない。
なんだったら、予定を変更して日本に帰れば良いんだから。
何気に失恋の傷は跡形もなく癒されてるし、歴史的建造物は沢山写真に収めたし、お土産も買った。
ズルズル何もせずに、ここにいないといけない理由はないし、その方がーー。
あの人のことを思い出さずにすむじゃない…。
遼子はホテルのロビーにいた。
あの、恐ろしくも忘れられない夜から、ほとんどホテルを出ていない。
昨日は昼間の内に近くのショッピングモールに出かけたのだが…。
背の高いサングラスをかけた男が歩いているのを見ただけで、ドキっとして足を止めてしまう。
もう、会わない。
もう、逢えない。
あの人、何才だろう。
何をしてる人だろう。
ずいぶん落ち着いた雰囲気だし日本語もすごく上手だった。
けど、あんな外交官やホテルマンはいないだろう。
どこかの会社の若社長とか…どちらかというとそういう感じだ。
そこで、はっとする。
「違くて!」
部屋で1人でいると悶々としちゃうから、ここで昨日食べたクレープの事とか考えながら時間を潰そうと思ったんじゃなかった?
まったく、油断も隙もあったもんじゃない。
とにかく、もう考えない。
なんだったら、予定を変更して日本に帰れば良いんだから。
何気に失恋の傷は跡形もなく癒されてるし、歴史的建造物は沢山写真に収めたし、お土産も買った。
ズルズル何もせずに、ここにいないといけない理由はないし、その方がーー。
あの人のことを思い出さずにすむじゃない…。