甘い唇は何を囁くか
その子供を、ひとりで育てるのも…かなり魅力的だけど…。

「で、まさか子供ができたらどうしようとか考えてね?」

遼子は、まさか!と思わず声を上げて立ち上がった。

あんまりにも、バカみたいじゃないのー。

宗眞はニヤリと微笑してグラスを置いた。

「間違いなくあんたはあいつのこと好きだと思うけどね。」

「…やめてよ。」

「分からないなー、何でそんなに否定的なんだ?」

確かに…自分でも分からなくなるくらいに認めてはいけないーそう、思う何かがある。

「…んじゃさぁ。」

「何よ。」

宗眞は立ち上がった遼子をジッと射るように見つめて言葉を続けた。

「俺と付き合う?」

< 77 / 280 >

この作品をシェア

pagetop