secret act Ⅱ
ピクッ
良い視線なんて無かった。
────その中になんとも言えない纏わりつくような視線を感じ体が小さく震えた。
私の肩を抱いている翔貴さんがそんな私に気付かないわけがない。
「どうした?」
すぐに私の異変に気付き問いかけられたけど、
答えることなくその視線を感じた方をジーっと見つめた。
そんな私を見て翔貴さんも同じほうを見た。
────人が多すぎてわからない。
いつも間にかその視線を感じなくなった。