secret act Ⅱ



「こりゃ、相当だな」

翔貴さんの後ろから聞き覚えのない声。


翔貴さんと向き合ってる私は翔貴さんに隠れている状態で誰がいるのか見えない。


翔貴さんが振り返ったタイミングで、私も顔を覗かせた。


ニコニコと微笑んでいる見知らぬ男性を先頭に飛翔さん、優輝、朔がいた。


その姿からは全く思えないが、状況からすぐに見知らぬ男性が"椿さんの御主人"だと判断した私は

『─初めまして。前川裕美と申します。』

ゆっくりと深く丁寧にお辞儀をした。


「ほー。
状況判断が早いうえ、話通り度胸もいい。
立ち振舞いも綺麗じゃの」

そう感心したように言い

「初めまして。
翔貴と優輝のじぃちゃんの耀(アキラ)だ」

ニコッと笑いながら言った。



......じぃちゃんって...間違ってはないけど..



椿さん同様この世界とは無縁そうな雰囲気。
部屋にはなんともほのぼのした空気が流れる。
だけどこの人は【東神会会長】で【東の御大】だ。
また、別の顔がある。


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