secret act Ⅱ
なんで私じゃないのよ...
目に入るのは膝の上で握られた震える手。
それに気付いた翔貴さんの
「...裕美..」
と言う声と同時に手が伸びてきて震える私の手をそっと包んだ。
顔を上げることはできず俯いたまま
『.......ごめんなさい.....』
小さく呟いた。
「何故謝る?
裕美は何も悪くないだろ。
それに俺の予想通りだ。心配しなくていい。」
翔貴さんの優しい声に小さく横に首を振る。
「裕美。俺は大丈夫だ。裕美が守ってくれてるからなっ」
『えっ...』
意味がわからなくて顔をあげ翔貴さんを見た。
翔貴さんは微笑んでいて
「裕美が側にいてくれることでむやみに手を出せない。俺を一番守れるのは裕美だけだ。
本当なら俺の側にいない方が安全だけどなっ」
最後は少し困ったように言った。
「一緒に立ち向かうって決めたんだ。謝る必要はどこにもない」
不安や罪悪感はなくならない。
でも、私がいることで守れるなら...
私は盾になろう...
誰も傷付けさせない。
翔貴さんの手に包まれた手を強く握った。