帰宅部の山倉です
夜の森林はやはり不気味だ

虫の鳴き声がよく響く

ガサッと音が鳴るたび私の肩は

ビクついた

「毎回、肝試しはここなの?」

頭の上からやさしい声がした

その声は私を安心させる

「いや、肝試しと言っても
 ただ暗いところ歩くだけだったのだが...」

こんな本格的な肝試しは初めてだ

「それ、肝試しじゃないよね、
 それに今回もそうだと思うよ
 結構歩いてるけど何も出ないし」

「そう、なのか?」

「うん。だからそんなに身構えなくても
 大丈夫だよ」
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