僕の行方
「ちっちゃい頃から、ずっと一緒だったの。
 ご飯も遊ぶ時もお風呂も一緒で楽しかった。
 確か、私が小5の時にね、死んじゃったの」
呉汰はそれは、それはお気の毒に と思った。

「ペロペロなめるのが大好きで。
 毛がふさふさして母性心をくすぐるくらい可愛かった」
ぺ…ペロペロなめる?毛がふさふさ。
「過激な男だね」
「メスよ」
案の定だった。
失恋というから男との話しだと思っていたのに…。
「一代目神楽坂。
 死んだ時悲しくて泣いちゃった」
きっとこれはあれの話だろう…いちお呉汰は確認した。
「ごめん、何の話?」
「え!?失恋…。
 ぽい話じゃん」
一代目神楽坂の話で昔を思い出した蓮ちゃんは泣きそうになっていた。
「失恋…っぽい話ね」
つまり、蓮ちゃんは『辛い時は泣くべきよ』って話をしたかったのだ。
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