七つ星 72時間の儚き思い
「お疲れっす」

<<< お疲れー >>>

社内から声が響き渡るだるそーな挨拶と
有線放送から流れる歌の下手なアイドルの声と
冷たく速度のあるパソコンのタッチ音


「優人さん、聞いてくださいよー」

席に着く前から俺を見かけると同時に

こっちに駆け寄ってきたピンク色した頭彼

「今日社長来ててピリピリなんすよ~
俺イベントあけなのに~俺もピリピリなのにー」

「あ、今日CD発売イベントだっけ?」

だるそうに問いかける

「CD3枚につきツーショット写真撮りしてきましたよ~ぶすばっかでー~ ・・・」

ピンク色した頭の彼はビジュアル系の
バンドマンだった


「みんなお疲れ」

小太りの冴えないオタクのような風貌した
タヌキ社長が現れる

「みんなミーティングしたいんだけど」

(タヌキ機嫌悪いなぁ・・・胃が痛い)

みんながたぬきを見上げる

「今月のな、売上8000万超えなかったぞ。」

たぬきの言葉にパソコンの音が止まる

社内がピリッとした雰囲気になるなか
有線放送から流れる馬鹿みたいな歌が
どんちゃん騒ぎのように鳴り響く

「聞こえなかったかあ?!たりねーんだよボケ、使えないカスども!おい!何やってたんだよばか」

(タヌキが吠えた・・・)

「金を稼ぐためには多少荒くてもいい、嘘でいいから信じさせろ!馬鹿な奴らに同情するな!売上ろ!金を使わせろ!騙せ!いいか、騙すんだよ甘い言葉で!!やれっ!」

その場にいた全員が
「「はい!!!!!!!!!!!!!!」」

(宗教か、ここは)



そう、俺はこの新宿で

〝出会い系のバイト〟の〝サクラ〟をしている
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