ボランティア
蘭の『普通』発言で、ホッとしてる凜
見てるこっちが切なくなってきた
「挨拶が遅れました…南戸和波と申します」
「…俺は兄の松本凜だ。宜しくな」
さっきの俺の助け船で気を良くしたのか、笑顔で対応してくれた
「…お父さんは?」
「…急に仕事になっちゃって…でも、もうすぐ帰ってくるはずよ」
そんな話をしていたら、ノック音が響いた
男親に会う緊張で、心臓が世話しなく激しく動く
ドアが開く
「………………あれ?…和…あれ?」
「……………へ?…松本さん…え?」
入ってきたのは、兄貴の店の常連客の松本さん。以前、兄貴の手伝いしてるときに、松本さんと親しくなった
「…蘭のお父さんて…松本さん?」
「和波さん、お父さんと知り合いだったんですか?」
「あぁ、兄貴の店の常連さん」
「えぇ?お父さん、上総さんの事も知ってるの?」
驚きの蘭に笑顔で答える松本さん