ボランティア
「…うん…ありがとう」
「手始めに、俺の呼び名…南戸さんじゃなくて和波って呼んでみ?」
「へ?////…か……か………和波…さん」
「おぉ、よく言えた!てか、名前呼ぶだけで顔真っ赤って新婚か?(笑)」
蘭ちゃんは耳まで真っ赤にしてプイッと拗ねた
そんな仕草も可愛い
蘭ちゃんは何で自宅に帰らないんだろう?
「ねぇ…蘭ちゃんは何で……」
「……………」
「…ごめん……何でもない」
蘭ちゃんの取り巻く状況が知りたくて聞こうと思ったけど、俺と目があった蘭ちゃんは、今にも泣き出しそうな顔をしてたんだ
思い出すだけで泣きそうになるようなことがあったのか?
蘭ちゃんを泣かせてまで聞き出したくはない
今は…今が楽しめてれば、それで良いんだと思うから
蘭ちゃんへの疑問は、俺の心の奥深くにあるパンドラの箱に突っ込み、しっかり南京錠をかけて閉じ込めた