ただしイケメンにかぎる。
「ごめん、もう大丈夫。座って?」

この人は何なんだろう…

顔だけじゃないのか。

優しい人なのか。

チャラいから私みたいな日陰女子の扱いにも慣れてるのか。

いろんな思いが駆け巡る。

ただ見てたら良かった気持ちが、だんだん片桐君を知りたい気持ちに変わってく。

私は片桐君に言われた通り席についた。

椅子はもう温かさはなく、椅子の温度そのものだった。

「なんか今回ヤスの周り男だらけじゃね?」
「漫画回しやすくなるじゃん!」

片桐君の前の席の武田君の言ったとおり、片桐君の横にいる私を除いては前後左、斜めすべて男子だった。

仲良い人にはヤスって呼ばれてる片桐君。
そんなあだ名も可愛くてぽーっとしてしまう。

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