ただしイケメンにかぎる。
「あ、えっと、その前の巻までしか読んでなくて…」
「マジで?じゃあ貸してやれよ!」

武田君からそれを奪い取って私に差し出してきた。

何なのこのミラクル続き。
私は自分の顔が赤くなるのを感じた。

「工藤困ってんじゃん。つーか俺のだろ」

武田君ナイスフォロー!

「いや、だってさ、これから次の席替えまで絶対漫画回すっしょ?したらさ、工藤に回してって頼まなきゃいけなくなるじゃん。なんかそーゆーお願い嫌なんだよね。それだったら工藤も入れて回した方が良くね?」

な、な、な!なんと!
男子の漫画を私も読めと!

「え?お前漫画好き?」
「わりと読むかも…」

男子の漫画リストを延々と話す武田君。
どれも読み途中のものばかりだった。

「ほらな!はい工藤も参加ー!」

ほらね!みたいな笑顔を見せる片桐君にドキドキしていた。
こんなに片桐君が近くで話してるのを見るのは初めてで、そして私に話しかけてきてくれるなんて、今まであんまりなかったのに…
席替えの奇跡、ハンパない!
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