ただしイケメンにかぎる。
「なんかさ、こーやって放課後に帰るのも久々だよな」

隼人が照れくさそうに笑った。

他の人にいい顔してるなんて嫌だ!なんて思っていた自分が小さく感じる。

「本当だね」

私も笑顔で返した。

今、この時を楽しみたい。

他愛もない話をして駅まで向かった。

道中はやっぱり「隼人!」なんて話しかけられてたけど、それだけ隼人がみんなに好かれてる中身イケメンだってことだろう。

「知奈美?」

駅に着くと私の顔を覗き込んで名前を呼んだ。

隼人が中身イケメンって考え事してたからか、話を聞けてなかったみたい。

「この後さ、どっか行く?」
「え?いいの?!」
「何だよそれ。いいに決まってんじゃん。」

何言ってんの?みたいな顔で笑う隼人。

だってトレーニングするって…

「久々なんだしさ、放課後デートでもしませんか?」

自分の顔が赤くなるのがわかった。

嬉しい…気持ちを抑えられない。

「うんっ!」
「よし!どこ行こっか」

隼人と行き先を決める。

買い物…食事…部活で忙しい隼人とこんな時間を過ごすことが本当に久しぶりで嬉しすぎて、場所なんてどこでも良かった。

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