ただしイケメンにかぎる。
パソコンとにらめっこしてる兄ちゃんをよそに、あたしと蓮水は戦ってた。

「悠里ー。蓮水も上手いから。」
「うるさいな!邪魔しないで課題やんなよ!」

確かに兄ちゃんの言う通り。

兄ちゃんとは比べ物にならないくらい上手かった。

結局兄ちゃんの課題が終わるまで8戦中3勝5敗。

明らかに私の方が弱かった。

「…悔しい…」
「悠里ちゃんも上手いじゃん!」
「でも蓮水さんのが勝ってる!」

イケメン蓮水は申し訳なさそうに笑った。

もみあげの髪を耳にかける。

刈り上げられてるのが見えた。

笑って細くなった目がパチりと開いて、整った唇がまた動き出す。

「また遊ぼうよ」

そう言って私の頭をポンポンと優しく撫でた。

ヤスとは違う優しさ。

てゆーか、ヤスのことなんかもうどうでもよくなっていた。
< 35 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop