ただしイケメンにかぎる。
「なんか…思ってたのと違うかも。」

私は、何もしなくても子どもがわー!っと集まってきて、千早先生!ってチヤホヤされるものだと思ってたけど…違ったな。

「え?そう?楽しかったよねー!」
「おー、意外とな!」

安東君と日菜子ちゃんがそう話してるのを見てなんだかガックリきた。

みんな、子どもたちとの距離、縮められたんだなぁ…

私だけ、おばさんせんせー呼ばわりだなんて…やだな。

「はい!じゃあ今日は遊んでくれてありがとうのご挨拶!」
「ありがとうごさいました!」
「…どういたしまして」

明らかに来た時とテンションの違う私。

私、保育士向いてないのかも…

てゆーか子ども無理かも…

らいおん組を出てとぼとぼと集合場所まで歩いた。

「千早!」

雪乃が笑顔で呼んできた。

「ねぇ、めっちゃ可愛かったんだけど赤ちゃん!」

来る前と全然違う表情。

「そお?私、あんまり楽しくなかったなー…先生はカッコ良かったけど。」
「は?何それ!そっちのが気になるし!」

保育士向いてない…

子ども嫌い…

将来の夢が崩れていく気がして、心にぽっかり穴が空いたみたいだった。
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