ただしイケメンにかぎる。
何事かと隣の席の蘭ちゃんに聞くと、

「席替えだってー麻子ー!離れちゃうねー…」
「え?なんでいきなり?やだよー!蘭ちゃーん!」

蘭ちゃんと離れるより、私はここから見える片桐君の姿をもう見ることが出来ないと思うと本気で悲しかった。
片桐君はと言うと、前の席の花房悠里ちゃんが困った顔して片桐君の手を握っているのを笑顔で返してた。

片桐君て、手の形も綺麗なんだな…

そんなことを思っていると、私がクジを引く順番が回ってきていた。

「工藤ー!早くこい!」
「はい!すいません!」

慌てて教卓に向かい、家持先生の持つクジ引きの箱の中に手を突っ込む。

「18番」

座席表を見ると、今、片桐君が座っている席だった。

やーったぁ!!!!

っと叫びたいのをグッと我慢する。
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