ただしイケメンにかぎる。
「私、やっぱり保育士になります!」

そう言うと、真琴先生は目をまん丸にして、そしてゆっくりと笑った。

「そっか。うん、その顔の方がいいよ」
「え?」
「いや帰りさ、表情暗かったから。」
「そりゃあ、ぶすおばさんはキツいですよ…」
「あはは、ごめんごめん、そーだよね。」

笑った顔もかっこよかった。

かっこよくて子ども好きで優しいって男の人、反則でしょ。

「ありがとうごさいました!わざわざ声かけていただいて。」
「いいえ。コンビニ行く手間省けて良かったよ。」
「へ?」
「そこのコンビニでバイトしてるでしよ?秋月さん。」

な、なぜそれを…

「いつも人の顔見ないでむすっとしてレジ打ってるからさ、今日クラス入って来た時すごい笑顔だったからビックリしちゃったよ。」
「え?真琴先生、あのコンビニ来てたんですか?」

ひゃー!無愛想なのバレてる!

こんなイケメンに気づかなかったってどんだけ接客態度悪いんだ私っ!

「入って来た時は別人?って思ったけど、帰りのあの顔見て間違いないって確信した。」
「っ!どんな顔してたんだろ私っ…」

恥ずかしくて顔が赤くなる。
それを見て真琴先生はまた笑った。

「笑ってたほうが絶対いいよ。可愛い。」
「っ!」

可愛いってサラッと言えるのは職業病なのか…?
こんなイケメンに可愛いって言われて、顔が熱くなるのと体温が上昇してくのに気づいた。

「じゃあ…、またコンビニで。」
「はい、今度は真琴先生の顔、バッチリ見ますね。」
「それは照れちゃうな」

そう笑って車のキーを取り出した。

将来の夢、固まりました。

保育士になる。

そして、近い将来、このイケメン保育士の助手席に彼女として乗ってやる。

「さよなら、真琴先生!またね」
「はい、またね」

真琴先生は駐車場へ、私はバイトへと向かった。








おわり
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