甘美な蜜のプワゾン
「今後、太郎には近付かないと約束しろ」
「あの、近付くも何も、私はただ昨日のお礼を言いたかったので先輩と会いましたけど、深い意味なんて全くないですから」
「そんなことはどうでもいい。近付くなと言ってる」
「な……なにそれ。そんなの横暴だと思います。太郎先輩がそう言うなら分かりますけど」
「とにかく、これは警告だ」
「ちょっと――」
蘭が言葉を紡ぐ前に踵を返し、右京は足早に校舎へと消えていった。
「なにあれ……人の話を聞いてよ」
完全なる拒絶。
太郎に特別な感情があるわけでもなければ、友達でもない。
そんな相手に対していきなり傍若無人な態度をとる右京に、蘭は憤りを感じた。
それと同時に、振り払った違和感がまた蘭の中で大きく膨らんでいった――……。
「あの、近付くも何も、私はただ昨日のお礼を言いたかったので先輩と会いましたけど、深い意味なんて全くないですから」
「そんなことはどうでもいい。近付くなと言ってる」
「な……なにそれ。そんなの横暴だと思います。太郎先輩がそう言うなら分かりますけど」
「とにかく、これは警告だ」
「ちょっと――」
蘭が言葉を紡ぐ前に踵を返し、右京は足早に校舎へと消えていった。
「なにあれ……人の話を聞いてよ」
完全なる拒絶。
太郎に特別な感情があるわけでもなければ、友達でもない。
そんな相手に対していきなり傍若無人な態度をとる右京に、蘭は憤りを感じた。
それと同時に、振り払った違和感がまた蘭の中で大きく膨らんでいった――……。