甘美な蜜のプワゾン
「ラッキー! 美上君と同じ車両じゃん」
「うん、めちゃラッキーだよね! あ、ちょっと何あの女、近すぎじゃん」
「マジ? うわ、本当だ。あれ2年じゃない? うざっ」
そんな声が蘭の後ろから聞こえ、太郎が同じ車両だと初めて気付く。
(車両まで一緒……。まあ、直ぐ降りるだろうしね)
蘭は偶然とはいえ、右京に太郎を追っかけていると思われるのが嫌なのだ。
見つからないように祈りつつ……。
駅ごとに減っていく乗客。
5駅過ぎた頃には後ろにいた生徒も、他の乗客もほぼ降りていた。
空席が目立つ座席に蘭はようやく腰を下ろした。
(はぁ……やっと座れる。あ、そだ……)
蘭は鞄からスマホを出して、何時ごろに着くかのメールを長瀬に送った。
「隣いいですか?」
「あ、はい、どうぞ……」
と、答えつつも電車内の座席でそんなに丁寧に断りを入れてくるなんて、かなり珍しいと顔を上げた瞬間、蘭は固まってしまった。
「うん、めちゃラッキーだよね! あ、ちょっと何あの女、近すぎじゃん」
「マジ? うわ、本当だ。あれ2年じゃない? うざっ」
そんな声が蘭の後ろから聞こえ、太郎が同じ車両だと初めて気付く。
(車両まで一緒……。まあ、直ぐ降りるだろうしね)
蘭は偶然とはいえ、右京に太郎を追っかけていると思われるのが嫌なのだ。
見つからないように祈りつつ……。
駅ごとに減っていく乗客。
5駅過ぎた頃には後ろにいた生徒も、他の乗客もほぼ降りていた。
空席が目立つ座席に蘭はようやく腰を下ろした。
(はぁ……やっと座れる。あ、そだ……)
蘭は鞄からスマホを出して、何時ごろに着くかのメールを長瀬に送った。
「隣いいですか?」
「あ、はい、どうぞ……」
と、答えつつも電車内の座席でそんなに丁寧に断りを入れてくるなんて、かなり珍しいと顔を上げた瞬間、蘭は固まってしまった。