甘美な蜜のプワゾン
「そっか、じゃあちゃんと覚えておけよ。西園寺 蘭ちゃんってフルネームで」
太郎がニヤリと笑って言うと、右京はハッとしたように蘭を見た。
「西園寺……。西園寺ってまさか……?」
「はい……。多分そのまさかで合ってると思います」
蘭が苦笑いを浮かべて言うと、右京は直ぐに納得顔を見せた。
「なるほど。どうりで……」
それはきっと先程の事を言っているのだろう。
蘭は軽く右京に頷いた。
驚いてはいるが、嫌悪している様子のない右京に蘭は少しホッとした。
「あと長瀬さん」
「はい」
「こちらのお二人は、わざわざ遠い中を送って下さったんです。だから、失礼のないようにお願いしますね?」
蘭がニッコリ微笑んで言うと、長瀬は瞬時に青くなる。
「申し訳ございません!」
長瀬は2人に身体を向けると、折り目正しく頭を深く下げた。
「お嬢を危険から護ってくれて、礼を言う。ありがとうございました」
「……いえ」
「……危険……?」
(わぁー長瀬さん! 何言ってんの! 名村先輩もそこに反応しないで! 恥ずかしい……。先輩たちも顔引きつってる)
そんな3人の思考を知る由もない長瀬が顔を上げた時、初めて太郎の顔をまともに見たのか、長瀬の表情が固くなった。
太郎がニヤリと笑って言うと、右京はハッとしたように蘭を見た。
「西園寺……。西園寺ってまさか……?」
「はい……。多分そのまさかで合ってると思います」
蘭が苦笑いを浮かべて言うと、右京は直ぐに納得顔を見せた。
「なるほど。どうりで……」
それはきっと先程の事を言っているのだろう。
蘭は軽く右京に頷いた。
驚いてはいるが、嫌悪している様子のない右京に蘭は少しホッとした。
「あと長瀬さん」
「はい」
「こちらのお二人は、わざわざ遠い中を送って下さったんです。だから、失礼のないようにお願いしますね?」
蘭がニッコリ微笑んで言うと、長瀬は瞬時に青くなる。
「申し訳ございません!」
長瀬は2人に身体を向けると、折り目正しく頭を深く下げた。
「お嬢を危険から護ってくれて、礼を言う。ありがとうございました」
「……いえ」
「……危険……?」
(わぁー長瀬さん! 何言ってんの! 名村先輩もそこに反応しないで! 恥ずかしい……。先輩たちも顔引きつってる)
そんな3人の思考を知る由もない長瀬が顔を上げた時、初めて太郎の顔をまともに見たのか、長瀬の表情が固くなった。