甘美な蜜のプワゾン
「なんでって、そんなの犯罪と一緒じゃないですか」
いくら相手が男だからといって、同意もなく襲っていい理由にはならない。
なのに。
「犯罪になるの? 別にいつもの事だけど」
蘭の言ってる事が理解出来ないとでも言いたげに、少年は首を傾げる。
「いつもの事って、そんなの――」
「ねぇ、そんなことより、さっきの。普通の恋って何?」
長身を屈めて蘭の顔を覗き込む少年の近すぎる顔に、蘭は思わず飛び退いた。
(き、危険だ……この人。無意識? だとしたら、たちが悪い)
人は誰しも警戒という名のテリトリーがある。
それを簡単に打ち破れるのは自分に自信がある者だけ。
意識的に誘惑する者は感情をコントロールするのが上手いが、無意識な人間はそれがない。
相手にどんな影響を与えても我関せず……始末が悪い。
「な、なんでそんなこと気にするんですか?」
「だって、普通の恋って意味が分からない」
「それは……私が普通じゃないから」
失恋したての傷を抉られているというのに、その痛みさえも忘れさせる少年。
それはきっと彼が興味本意で聞いてるのではなく、純粋に疑問に感じてるのが分かったからだろう。
いくら相手が男だからといって、同意もなく襲っていい理由にはならない。
なのに。
「犯罪になるの? 別にいつもの事だけど」
蘭の言ってる事が理解出来ないとでも言いたげに、少年は首を傾げる。
「いつもの事って、そんなの――」
「ねぇ、そんなことより、さっきの。普通の恋って何?」
長身を屈めて蘭の顔を覗き込む少年の近すぎる顔に、蘭は思わず飛び退いた。
(き、危険だ……この人。無意識? だとしたら、たちが悪い)
人は誰しも警戒という名のテリトリーがある。
それを簡単に打ち破れるのは自分に自信がある者だけ。
意識的に誘惑する者は感情をコントロールするのが上手いが、無意識な人間はそれがない。
相手にどんな影響を与えても我関せず……始末が悪い。
「な、なんでそんなこと気にするんですか?」
「だって、普通の恋って意味が分からない」
「それは……私が普通じゃないから」
失恋したての傷を抉られているというのに、その痛みさえも忘れさせる少年。
それはきっと彼が興味本意で聞いてるのではなく、純粋に疑問に感じてるのが分かったからだろう。