甘美な蜜のプワゾン
「確かにいい女だけどさ、あまりいい噂聞かないな」

「そうなの?」

蘭とリリは2人一緒に話に食い付く。

様々な撮影がある為、タレントや俳優、歌手等とも仕事をすることも多い稟。

華々しい芸能界の裏話は嫌でも耳に入ってくるという。

「あぁ。男関係がそりゃあもう、ひでぇらしくて。二股、三股なんて当たり前。しかも美神 理緒の親は、芸能業界で一番でけぇプロダクションの代表取締役っつうんだからやりたい放題なんだろ」

娘の不祥事も、親が揉み消す。
どの社会も金と権力がものを言う。

「うわぁ……いかにも芸能界って感じ。それに噂って言っても、火のない所に煙は立たないって言うしね」

「まあな……。結婚は一度もしてないけど、子供がいるって噂もあるしな」

「ウソー本当? でも、そんだけ男関係酷かったら子供が出来てもおかしくないよね。誰の子とか分かんなかったりして」

「実際いたら、マジで分かんねぇんじゃね?」

嘲るように吐き捨てる蘭に、稟も同意するように鼻で笑う。

「稟にぃ狙われないように気を付けてよ」

茶化す蘭に、稟は何やら難しい顔をするため、
蘭はリリと顔を見合わす。

「え? もしかして……稟」

「いやいや母さん、変に誤解しないでよ? 確かに誘われた事あるけど、流石に俺もそこまで馬鹿じゃねぇし」

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