ヴァンタン・二十歳の誕生日
チビ。
私は十年前の私をそう呼ぶことにして、そっと寝顔を見た。
(まあ何て可愛いらしいんだろう)
自分の寝顔にキュンとなる。
(馬鹿か私は……)
そう思いつつベッドで眠るチビのポニーテールを見つめた。
(ずっとそのまま……)
何故だか解らないけど、これが答えのように思えた。
(私はきっと……パパに私だと気付いて貰いたくて……ずっとそのままこのヘアースタイルだったんだ。そうだきっと……パパを探す為に此処へ……。そうか。やっぱりこれがタイムスリップなんだ)
私はこの答えが正解か否かを見極めるために、チビの体を揺すった。
その時、チビの枕元にあるパパのお土産に気付いた。
お伽話に出てくる魔法の鏡をねだった時、パパが苦し紛れに置いていってくれた物だ。
私は本当はそれで良かったのに……
パパの事苦しめてしまったらしい。
その時、私は忘れ物に気付いた。
それはこの手鏡と対になった物だった。
あの魔法の鏡の中で遊んでいた時、落とした物だった。
(ってゆう事は……これから二人であの鏡の中に入るのか? パパが見つけてくれた、本物の魔法の鏡。あの中に再び……
チビの私と一緒に……)
又二人? だけの冒険が始まる。
忘れ物を探す為に……
行方不明になっているパパを探すために……
(そうだった。パパが行方不明になった時……私は屋根裏部屋でこの鏡を見つけたんだ。パパを探しに行ったあの部屋で……どうして忘れていたんだろう? どうしてあの部屋だったんだろう? 一体屋根裏部屋に何があると言うのだろうか?)
私は何となく手にした手鏡を、ハーフパンツのポケットの中に入れていた。
そう自分でも気付かないうちに……
やっと目を開けたチビは眠たそうに目をこすった。
「おねえさん誰?」
判る筈がない。
私も今の今まで考えも及ばなかったのだから。
(私は確かに十年前、鏡の世界へお・ね・え・さんと入った。そしてそれは……パパを探す為だった……)
何故今まで忘れていたのかを知りたい。
その答を得る為に、もう一度あの鏡の中に入らなければいけない。
私はその事を知りながらきっと此処に来たのに違いなかった。
私は十年前の私をそう呼ぶことにして、そっと寝顔を見た。
(まあ何て可愛いらしいんだろう)
自分の寝顔にキュンとなる。
(馬鹿か私は……)
そう思いつつベッドで眠るチビのポニーテールを見つめた。
(ずっとそのまま……)
何故だか解らないけど、これが答えのように思えた。
(私はきっと……パパに私だと気付いて貰いたくて……ずっとそのままこのヘアースタイルだったんだ。そうだきっと……パパを探す為に此処へ……。そうか。やっぱりこれがタイムスリップなんだ)
私はこの答えが正解か否かを見極めるために、チビの体を揺すった。
その時、チビの枕元にあるパパのお土産に気付いた。
お伽話に出てくる魔法の鏡をねだった時、パパが苦し紛れに置いていってくれた物だ。
私は本当はそれで良かったのに……
パパの事苦しめてしまったらしい。
その時、私は忘れ物に気付いた。
それはこの手鏡と対になった物だった。
あの魔法の鏡の中で遊んでいた時、落とした物だった。
(ってゆう事は……これから二人であの鏡の中に入るのか? パパが見つけてくれた、本物の魔法の鏡。あの中に再び……
チビの私と一緒に……)
又二人? だけの冒険が始まる。
忘れ物を探す為に……
行方不明になっているパパを探すために……
(そうだった。パパが行方不明になった時……私は屋根裏部屋でこの鏡を見つけたんだ。パパを探しに行ったあの部屋で……どうして忘れていたんだろう? どうしてあの部屋だったんだろう? 一体屋根裏部屋に何があると言うのだろうか?)
私は何となく手にした手鏡を、ハーフパンツのポケットの中に入れていた。
そう自分でも気付かないうちに……
やっと目を開けたチビは眠たそうに目をこすった。
「おねえさん誰?」
判る筈がない。
私も今の今まで考えも及ばなかったのだから。
(私は確かに十年前、鏡の世界へお・ね・え・さんと入った。そしてそれは……パパを探す為だった……)
何故今まで忘れていたのかを知りたい。
その答を得る為に、もう一度あの鏡の中に入らなければいけない。
私はその事を知りながらきっと此処に来たのに違いなかった。