ヴァンタン・二十歳の誕生日
「その前に屋根裏部屋に置いて無かった?」
それを聞いて、そんな事実を私は思い出した。
「パパが行方不明になった日、確かに屋根裏部屋にあったよ」
私の言葉を聞いてパパは思わず頷いた。
「そうか……あの日、その鏡から反射した満月の光がきっと魔法の鏡に入ったんだ。だからキャプテンバッドは此処に居るのか」
「キャプテンバッドと満月にどんな関係があるの? ねえパパ教えて。だって今日満月だよ」
「えっ!? 満月?」
パパは私の一言でかなり落ち込んでいた。
満月とキャプテンバッドの骸骨。
この似ても似つかない取り合わせが、これから私達を襲う事になろうとは……
予想だにしない展開が目の前に迫っていた。
チビが合わせ鏡を手にしていた。
小さな手がその合わせ鏡を一つにしようとした時、鏡を介した満月の光がキャプテンバッドに当たった。
「満月の光が……」
パパが青ざめた。
「又キャプテンバッドが甦る!」
パパの悲鳴が船内にこだました。
バスルームのコーナーラックの鏡に写ったクロスペンダント。
全ては其処から始まった。
それがコラボして、屋根裏部屋を開けさせたのだ。
(そうだきっとパパの存在に気付かせるために。私を鏡の世界へ引きずり込もうとするために)
全ては私をこの船に誘うためのものだった。
パパを助けるために、私が此処に戻ることを知っていたのだろう。
そして……
パパを鏡の世界に閉じ込めたように、私とチビを此処へ閉じ込めるようとしている。
パパが見つけた魔法の鏡は、本物だった。
でもお伽話の物とは違っていた。
写し込んだ人物に執着し、鏡の中に取り込もうする邪悪な鏡だった。
その人物……
それは紛れもなくチビ……
いいえ、私だった!
お伽話に出てくる魔法の鏡を見つけたパパ。
でもそれは月の光によって魔力化されていた。
パパが鏡を抱えて帰って来た日は満月だった。
その日。
港に客船を見回りに行ったパパは海賊に襲われた。
満月の力で、中に閉じ込められていた海賊船が港に現れたのだ。
「満月に……満月に又、あの骸骨が甦る!」
「満月!? パパ満月に何があるの?」
私はパパに迫っていた。
「お姉さん。パパを虐め無いで」
今度はチビが私に迫っていた。
それを聞いて、そんな事実を私は思い出した。
「パパが行方不明になった日、確かに屋根裏部屋にあったよ」
私の言葉を聞いてパパは思わず頷いた。
「そうか……あの日、その鏡から反射した満月の光がきっと魔法の鏡に入ったんだ。だからキャプテンバッドは此処に居るのか」
「キャプテンバッドと満月にどんな関係があるの? ねえパパ教えて。だって今日満月だよ」
「えっ!? 満月?」
パパは私の一言でかなり落ち込んでいた。
満月とキャプテンバッドの骸骨。
この似ても似つかない取り合わせが、これから私達を襲う事になろうとは……
予想だにしない展開が目の前に迫っていた。
チビが合わせ鏡を手にしていた。
小さな手がその合わせ鏡を一つにしようとした時、鏡を介した満月の光がキャプテンバッドに当たった。
「満月の光が……」
パパが青ざめた。
「又キャプテンバッドが甦る!」
パパの悲鳴が船内にこだました。
バスルームのコーナーラックの鏡に写ったクロスペンダント。
全ては其処から始まった。
それがコラボして、屋根裏部屋を開けさせたのだ。
(そうだきっとパパの存在に気付かせるために。私を鏡の世界へ引きずり込もうとするために)
全ては私をこの船に誘うためのものだった。
パパを助けるために、私が此処に戻ることを知っていたのだろう。
そして……
パパを鏡の世界に閉じ込めたように、私とチビを此処へ閉じ込めるようとしている。
パパが見つけた魔法の鏡は、本物だった。
でもお伽話の物とは違っていた。
写し込んだ人物に執着し、鏡の中に取り込もうする邪悪な鏡だった。
その人物……
それは紛れもなくチビ……
いいえ、私だった!
お伽話に出てくる魔法の鏡を見つけたパパ。
でもそれは月の光によって魔力化されていた。
パパが鏡を抱えて帰って来た日は満月だった。
その日。
港に客船を見回りに行ったパパは海賊に襲われた。
満月の力で、中に閉じ込められていた海賊船が港に現れたのだ。
「満月に……満月に又、あの骸骨が甦る!」
「満月!? パパ満月に何があるの?」
私はパパに迫っていた。
「お姉さん。パパを虐め無いで」
今度はチビが私に迫っていた。