蒼空に奏でる詩


「あれ、顔赤いみたいだけど大丈夫か?」


葉山君はそう言って私の顔を覗き込んでくる。


「あ、赤くなんか無いよ……っ」



そう言って葉山君と反対側を向く。

チラッと視線だけを葉山君の方に向けると、欠伸をしてまた眠ろうとしてた。


クスリ、と小さな笑みがこぼれる。

窓から差し込んでくる光が葉山君の髪を照らしていて、フワフワに見えて触りたくなる。




和やかな春の日差しもあって、私は穏やかな気分になる。

その時。




「っ、……!!」


胸が少しだけ痛くなった。

経験から、この痛みは時間がたてば治まる種類の痛みだってわかったけどツラい。


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