蒼空に奏でる詩
彼はそう言って教室を後にした。
…私をお姫様抱っこしながら。
だから教室からは、心配の声よりも女子のキャー!って声の方が多かった。
「葉山君……。
私、大丈夫だよ?」
痛みも少し和らいできて、楽になってきたから葉山君に話しかける。
「一応、休んどけって!」
「でも、私のせいで葉山君まで授業に出られなくなっちゃうよ……」
私の言葉に、葉山君はニコリと笑って言った。
「良いんだって!
そんな事より、種田の方が心配だし?」
そう言ってイタズラっ子みたいに微笑まれちゃったらもう何も言えなくなってしまう。