蒼空に奏でる詩
私は、そう言って立ち上がった葉山君の制服の裾を思わず掴んでしまった。
「……種田?」
葉山君は首を傾げてる。
困らせちゃった……かな?
今の行動は、無意識だった。
でも、葉山君が行っちゃうと思ったら自然と動いていた。
「あ……えと、」
私は掴んでいた手を慌てて離す。
掴んでしまった言い訳をしようとすると、葉山君は近くに椅子を持ってきて座った。
「寝るまでだからな?」
私の前髪を撫でつつ、葉山君はそう言ってくれた。
そして手を握って、微笑んでくれた。
「あ、あの……本当に、良いの?」
私が聞けば彼は微笑みを返してくれる。