蒼空に奏でる詩
「そんなに上手いんなら、葉山君をずっと見てようかな?」
クスクスと笑いながら言った言葉に葉山君は動きをピタッと止め、大きく見開いた目で私の方を見てきた。
「……どうかした? 葉山君」
「いや、だって……今…………」
葉山君はそこまで言うと頬を朱に染めて首を振る。
「あー!!
やっぱ、何でもねぇ!!
ほら、行くぞ!」
「は、葉山君!?」
葉山君は私の手を引いて体育館まで早足で歩いていく。
「葉山く……。
は、速いよ……!!」
でも、歩幅の差で私は小走りになってしまう。
私は軽い運動ですらお医者さんに止められているからこれだけでも息が上がってしまう。