蒼空に奏でる詩


「あ、……悪ぃ、大丈夫か?」


心配そうに尋ねてくる葉山君に頷く。


「う、うん。 大丈夫だよ」

「そっか、まぁ俺ら来たの早かったみたいだし後はのんびり行くか!」


葉山君は私を気遣ってか、笑ってそう言ってくれる。

……優しいなぁ。




「……ありがとう、葉山君」


葉山君に聞こえない声の大きさでぽつりと呟く。




***


「よし、これより2学年3クラス対抗ドッジボール大会を開始するっ!!」


体育館にA組の先生の声が響き渡る。


「最初は我がA組vsB組だ!」


その声を合図に、皆が移動を始める。


A組、B組はコートに。

C組は空いてる場所で観戦。


私はもちろん見学。

でも、コートの近くに座ってる。


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