蒼空に奏でる詩



今、またB組の子がボールを取って投げていく。

そのボールはA組の子の足に当たり跳ね返る。

またそれを拾ったB組の子が投げていく。


今度はA組の子もキャッチ出来たみたいでボールを思いっ切り投げる。

……けど、投げたボールはコントロールが効かなかったのか、観客ーーいや私に向かって飛んできていた。


気付いた周りの子の悲鳴が聞こえる。

投げた男子の真っ青な顔も。


でも、突然の事に驚いた私は足がすくんでしまって動けない。

逃げにきゃいけないって分かってるのに、足が少しも動かない。


ぶつかる痛みをこらえるため、ギュッと目をつぶる。


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