蒼空に奏でる詩
なんて軽く笑いながら言って立ち上がる葉山君に周りのギャラリーは大爆笑。
でも、私は全然笑えない。
だって一瞬見ちゃったんだ。
葉山君が本気で指の痛さに顔をしかめてるところ。
「悠輝ー、大丈夫なのかぁ?」
ドッジボールでリーダー的な役をやっていた人が葉山君に話しかけるけど、葉山君は大丈夫としか言わない。
私は、モヤモヤしながら後残り数分となった試合を見ていた。
「止めーっ!
整列、礼!!」
「「「ありがとうございました!」」」
先生の号令によって試合は終了した。
結果は、一人差でA組の勝ち。
でも、今の私は勝敗なんかどうでも良い。
「葉山君っ……!!」