蒼空に奏でる詩
私は名前を呼びつつ彼の元へと私が出せる全速力で近付いていく。
気付いた葉山君はまだ笑っている。
「あ~負けちまった。
ごめんな、カッコいいとこ見せらんなくて」
「そんな事、どうでも良いよ!
それよりも葉山君の方が大事だよ!!」
私はそう言うと葉山君の手を引いて保健室に向かう。
「幸先生、いらっしゃいますか?」
幸(サチ)先生は、養護教諭の先生。
あれから何回か来ている内に仲良くなって、今では名前で呼ばせてもらってる。
「ん~? 何だ、蒼空か」
またどこか悪いのか?と、尋ねられたから私は首を振り、葉山君を前に出す。