蒼空に奏でる詩
でも、今回のからかいの言葉は葉山君の気持ちを聞いてきた物だったから、つい気になってチラリと彼の方を見てしまう。
すると、葉山君もこっちを見ていて私達の視線が交わる……。
……心臓が、1つ音を立てた気がした。
胸も、少しだけ苦しくなる。
でもいつもの体調が悪い時の感じじゃない。
なんて言うか、フワフワしてて暖かい。
幸せな気持ち。
私がそこまで考えたところで葉山君が口を開いた。
「──好きだよ。
俺は種田の事が好きだ」
一瞬、時間が止まったかのように錯覚してしまう。
「……え…………」
口からこぼれたのは、か細い呟き程度の声。