蒼空に奏でる詩
苦笑いをしながらおどけている葉山君には、先生も呆れている。
「なぁにが、“怒っちゃイヤ~”だ。
お前が悪いんだろ。
俺が来るギリギリまでお前を起こそうとして、俺が来た後も必死にお前の弁解をしていた種田に感謝するんだな」
先生はそう言って前に向かって戻っていく。
あ、誰かが葉山君の代わりに指された。
……ドンマイ。
「たーねだ!」
「どうかした?葉山君」
名前を呼ばれたから横を向けば、体は伏せたままで顔だけ私の方に向けていた葉山君と目が合う。
「いや、起こしてくれたんだろ?
助かった、って言っとこうと思ってさ」