ガーディスト~君ヲ守ル~
(…つばき…)
これはどういうことだ?
1人の肉体に2人の人格が入っている?
それとも…。
祐司の疑問より先に『つばき』が話し始めた。
「あたしは探さなきゃいけないの…」
「…何を?」
「あたしの体」
「…」
「気づいたらここにいた。でもこれはあたしじゃない、あたしの体を探さなきゃって…」
「…」
「だからこの人の身体を使って探すことに決めたの。でもあたしが動けれる時間は限られてる、彼女が意識を失う間だけ。
だからあたしの邪魔をしないでほしいの」
なんとも信じがたい話だ。
だが、祐司は確信した。
これは多重人格者ではない。
つぐみの身体に、『つばき』の霊が憑依しているのだ。
「…なるほど。じゃあ自分が生きてるのか、死んでるのかもわからないのか?」
コクンと『つばき』は頷いた。