愛と涙と、ぬくもりと。
「本当にこれでいいの…?」



「うん。もう決めたから。じゃ、それよろしくね!」



智恵はそう言って自分の教室に帰って行った。



あーぁ…。私がこれ、渡さなきゃいけないのか…。



トボトボ歩いて私も自分の教室に帰る。
教室に入った途端、平沢から声が飛ぶ。



「あー!柴咲お前どこ行ってたんだよ!
宿題見せる約束だっただろ!」



「あー…ごめん。ちょっと智恵と話してた!」



「え、智恵?なに?何の話?」



「よくわかんないけど、これ!あんたに渡してって頼まれたの」



そう言ってあの紙を差し出す。

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