愛と涙と、ぬくもりと。
夏頃にはすっかり平沢と仲良くなっていた私は、毎日のように平沢から相談を受けていた。
智恵に嫌われたくない一心だったようで、最初はそれも微笑ましかった。


だけど、日が経つにつれ、私の心はザワザワし出した。


どこにデートに誘おうか、
何をプレゼントに贈ろうか、
…そんな話を聞くたびに胸が締め付けられるようになった。


好きだと気づくのが遅すぎたんだ。
協力した自分を後悔した。


デートをした日、必ず平沢はノロケてきた。今日は何をした、何を話した…
嬉しそうに話すアイツを見て、私はまた心を痛めた。


その相手が私だったら…と何度考えたことか。考える度苦しくなって、涙が頬を濡らした。
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