愛と涙と、ぬくもりと。
私は聞き役に徹した。
色んなことを聞いた。私しか知らないことがどんどん増えた。
もちろん、それを吹聴したりはしない。
私はそんなことをしたいわけじゃないから。


平沢も「こんなこと、お前にしか話してないからな。誰かに話したりすんなよ」と言ってくれた。
それだけが救いだった。


でもやっぱり、聞く話は全て幸せなことで。二人とも一途だからこのまま別れることはないんだろーな、と思った。
きっと私の立ち入る隙なんてないと痛感した。

知らない間に涙が流れることもあった。
自分が何をしたいかわからなくなっていた。
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