MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
1、ウエディング編~ため息のゆくえ
❤瀬野将のため息①
普段から規則正しい生活をしているせいか、前日遅く寝ても朝はきちんと目が覚める。
特に最近は、レイを腕にだいて目が覚める時が至福の時間だ。
まだ眠っているレイと弁慶。
ベッドの中のその姿をみると、自然と口角が上がるのがわかる。
レイを『TOP OF YOKOSUKA』で初めて見た時、一目惚れをした。
こんなことは、今までになかった。
長い間初恋をつづけた夕真ちゃんにだって、信じられない可愛さもポイントだったが、それ以上にその優しい人柄にひかれたのに。
だけど、レイに対しては違った。
容姿の美しさは勿論だったけれど、内面からでる格好よさにただただ、見とれたのだった。
どうにか知り合いになりたくて、ナンパの様に話しかけたけれど、冷たくあしらわれて。
随分クールな女だと思った。
一応、『抱かれたい男No.1』を10年続けて、殿堂入りまでした俺に対して、完全なスルー。
まあ、その殿堂入りしたキャラは本当の俺じゃないから、それを求められたら困るんだけど。
でも、戸田さんの具合が悪くなって、クールだと思っていた姿は豹変した。
服装、靴、バッグは海外の高級ブランド品を見事着こなしていて、モデルかファッション関係の仕事かと思っていたのに。
髪を輪ゴムで縛り、水を大量に飲み、戸田さんを助ける姿は、どう見ても情熱をもった医者だった。
病院につき、専門の医者がいないのでレイが治療をすることになり、酒を冷ますため、ためらいもなく頭から水道の水を被った時は、度肝を抜かれた。
スゲー女。
格好なんてどうでもいい、ただ人を助けたい、彼女の中で、ぶれることなく心の中心にあるものを見せられた気分だった。
そんな潔いレイに、俺は完全に堕ちた。
それからは、もうレイの一面を垣間見るたびに、好きになる気持ちは歯止めがきかなくなって…。
初対面なのに、弁慶が無茶苦茶なついた時には、あー、俺たち揃ってレイに骨抜きにされた、と実感した。
まあ、いろいろあったけど、明日は結婚式だ。
レイは漸く、今日から休みだ。
仕事初めは俺と同じ、6日から。
ふふ、6日間、レイとずっと一緒にいられる。
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