MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】




改めて夕がた記者会見を設けるから、と将が足を止めることもなく応対をする。


記者会見には奥さまも同席されるんですか、との質問に将がもちろんです、と答えた。



え、何言っちゃってくれてるの?


私が睨むと、将がにっこりほほ笑む。


そして。



「だって、しょうがないだろ?俺たちは一心同体、だし?」



と、蕩けそうな顔で言いやがった。


キャラ崩壊だろっ!?

いいのか?


案の定、フラッシュの嵐。




やがて、取材できる区間も残り少なくなり、そろそろ解放してもらえるな、と思った頃。


出国時に少しもめた、西村の非常識さについて質問をされた。



そう言えば、今日は彼女がいない。


徳井さんが、彼女の立場が悪くなっているといっていたっけ。

どうなったんだろう・・・。



日本のマスコミのことだ、バッシングにでもあっているんだろうかと、急に心配になった。


私はそこで立ち止まり、インタビューをしてきた人に向き直った。




「今日は、西村さんはどうされましたか?」



私のいきなりの行動に皆驚いた。


将は、だまって私を見つめる。


ああ、今回の同行でこれも得たものだ。

将は私を信頼してくれている。

だから、私の突然の行動にも何も言わず、でも困ったら助けてくれるつもりだ。



そう思うと嬉しくて、思わず将の繋いでいる手をぎゅっと握りしめた。

将も握り返してくれる。


それに勇気づけられて、私は考えを口にする。



「皆さんは失敗をされたことはないんですか?私は沢山、数えきれないくらいあります。私は彼女に対して怒ってもいませんけど?」



そう切り出すと、取材陣はシン、となった。



質問が途絶えたのを見計らって、将が私の手をひっぱった。



「ここでこれ以上は、周りの方のご迷惑になります。後ほどご質問がありましたら、記者会見でお答えします。」



そう言ってタイミング良く、頭を下げた。



私も、頭を下げた。






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