MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】





青山さんの家に着いて、取りあえず将の部屋に入った。



夕真さんの興奮ぶりが凄かったから、昼食の準備もしてくれているし、荷物を置いてシャワーを浴びたら早く行かないといけないんだけど。



スーツケースから着替えを取り出している将に、後ろから抱きつく。




「レイ?」

「ね・・・将は『新婚旅行だったのに…』って残念がっていたけどさ、私今回よかったと思うよ?そりゃ、2人の時間は少なかったけど、沢山お互いのことをわかりあえたじゃない?・・・私・・・将の事・・・・もっともっと・・・・・す・・・好きになったし・・・。」



途中から恥ずかしくなり、最後は声も小さくしどろもどろになりながらもそう言うと、将がクスリと笑い私に向き直った。


そのままギュッと、抱きしめられる。



「ありがと。だけど・・・そんな可愛いこといったら、昼食パスになるよ?」

「・・・いや、それは無理だと思う。絶対に夕真さんが押しかけてくると思うし。」



そう言うと将が吹き出した。

その通り、といってゲラゲラ笑う。


その笑顔を見て、心から幸せだと思う。


愛っていいな、って思う。



「ね、将…。」

「ん?」

「今回時間がなかったけど、お互いのこと沢山理解し合えたよね?」

「うん、確かに。レイの完全犯罪も見たし。」



クスクス笑う将。



「だからね?」

「うん。」

「だから、やっぱり。今回のフランス行きが私達にとっての、新婚旅行だったんだよ。」



そう言って将の頬にキスをした。

将はもう一度、私をギュッと抱きしめると。


そうだな、とため息をついた。



廊下の向こうからワンワンと愛しい鳴き声が聞こえてきた。



幸せがまたこみ上げる。


そうだ、おちついたら2泊3日でもいいから、弁慶を連れてペットOKの温泉にでも行こうか。


そう提案したら、将はどんな蕩けた顔を見せてくれるんだろうと想像しながら。




私は将と手をつなぎ、鳴き声の主を迎えにドアの方に歩き出した――――






【完】

これで、番外編は終わりです。


この後、ベリーズカフェ版で『将と弁慶の出会い』のショートストーリを、オマケで書き足します。


完成まで、しばらくお待ちください<(_ _)>




< 107 / 113 >

この作品をシェア

pagetop