MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
青山さんの家に着いて、取りあえず将の部屋に入った。
夕真さんの興奮ぶりが凄かったから、昼食の準備もしてくれているし、荷物を置いてシャワーを浴びたら早く行かないといけないんだけど。
スーツケースから着替えを取り出している将に、後ろから抱きつく。
「レイ?」
「ね・・・将は『新婚旅行だったのに…』って残念がっていたけどさ、私今回よかったと思うよ?そりゃ、2人の時間は少なかったけど、沢山お互いのことをわかりあえたじゃない?・・・私・・・将の事・・・・もっともっと・・・・・す・・・好きになったし・・・。」
途中から恥ずかしくなり、最後は声も小さくしどろもどろになりながらもそう言うと、将がクスリと笑い私に向き直った。
そのままギュッと、抱きしめられる。
「ありがと。だけど・・・そんな可愛いこといったら、昼食パスになるよ?」
「・・・いや、それは無理だと思う。絶対に夕真さんが押しかけてくると思うし。」
そう言うと将が吹き出した。
その通り、といってゲラゲラ笑う。
その笑顔を見て、心から幸せだと思う。
愛っていいな、って思う。
「ね、将…。」
「ん?」
「今回時間がなかったけど、お互いのこと沢山理解し合えたよね?」
「うん、確かに。レイの完全犯罪も見たし。」
クスクス笑う将。
「だからね?」
「うん。」
「だから、やっぱり。今回のフランス行きが私達にとっての、新婚旅行だったんだよ。」
そう言って将の頬にキスをした。
将はもう一度、私をギュッと抱きしめると。
そうだな、とため息をついた。
廊下の向こうからワンワンと愛しい鳴き声が聞こえてきた。
幸せがまたこみ上げる。
そうだ、おちついたら2泊3日でもいいから、弁慶を連れてペットOKの温泉にでも行こうか。
そう提案したら、将はどんな蕩けた顔を見せてくれるんだろうと想像しながら。
私は将と手をつなぎ、鳴き声の主を迎えにドアの方に歩き出した――――
【完】
これで、番外編は終わりです。
この後、ベリーズカフェ版で『将と弁慶の出会い』のショートストーリを、オマケで書き足します。
完成まで、しばらくお待ちください<(_ _)>