MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
そう言って、レイちゃんが私のお腹を優しく撫でた。
うわ、今の、きた…。
菊弥を許してやって、なんて陳腐なことばじゃなくて、赤ちゃんのこともちだして、そんな優しい顔で微笑まれたら、もうおこれないよー。
ふふ、何か、レイちゃんの今の言葉で素直になれた。
「レイちゃん、本当にそうだね、赤ちゃんが悲しくなるよね?でも、イイコイイコ、レイちゃんがしてくれたから、赤ちゃんも嬉しいかも。もっとなでて?」
さすがお医者さんっていうだけあって、ここちよい。
うっとりと、目を閉じた。
きっとお腹の赤ちゃんも、うっとりしてるんだろうな…。
だけど、暫くすると、急にレイちゃんの手が離れた。
え?
目を開けると。
目の前には、困惑顔のレイちゃんと。
そのレイちゃんを羽交い締めにするように抱き締めている、三角目の。
将くん。
「いくら、夕真ちゃんでも、くっつきすぎだし、時間長すぎ。俺だって、そんなに長いことレイに撫でてもらったことないのに!」
唖然としていると。
私も羽交い締めで、抱きつかれた。
「将くんの言う通りだよ。お腹の子は俺の子なんだから、俺が撫でるのっ!」
はあ。
見なくてもわかる。
菊弥も絶対に三角目だ。
わかった。
さっき思った、『知ってるパターン』ってやつ。
将くん、菊弥と行動がそっくり。
ちょっとウンザリしているレイちゃんと目があった。
つい、苦笑いで目で会話する。
『お互いに、大変だね?』
なんて。
はあぁ。