MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
★青山菊弥のため息
はあぁ。
ど、どぉおしょおぉ――
ゆ、ゆまが怒っている…。
「と、とりあえず地下にいどうするぞっ、ゆ、ゆまちゃんもっ!」
父さんがそう言うと、何故かサロンメンバーもついてきて、地下の応接室に宴会場は変更になった。
ゆまは口も聞いてくれない。
「あの…レイは?」
将くんが、キョロキョロと見回す。
冷たい汗が背中を伝わる。
「菊弥がレイちゃんに酷い事を言って、レイちゃん帰っちゃったの。」
ゆまが、俺を睨みながらそう言う。
ゆまの睨む目もいつも可愛いと思うのに、何故か恐怖を感じる。
って、可愛いんだけど、そうじゃなくて、これからゆまが怒ってどんな態度に出るのかが、恐ろしいんだ。
エッチ一週間禁止って言われたら、どうしよう。
まあ、今妊娠中だからあんまり思いっきりできないんだけど、それはそれで色々楽しみ方はあるし…あ、何か、思い出したら下半身が…。
「菊弥っ、何にやついているのっ?」
ゆまが怒りの形相で俺を見る。
将くんか焦って、ゆまに何があったか問いただし、大まかな話を聞くと、慌てて犬を抱えて部屋を飛び出していった。
・・・そして、俺に突き刺さるサロンメンバーの冷たい視線。
はあぁ。
不味いな俺…。
げ、戸田さんが睨んでる。
うわ、葉山まで…二股かけられてたのに。
「俺思うんやけど、レイちゃんって悪いコやないと思う。あの将くんが、あそこまで惚れたんやぞ?」
ムッシューさんが俺を見た。
「菊弥お前、ゆまちゃんがレイちゃんの立場でもおんなじ事を言えんのか?」
父さんが尖った声で俺を問いただす。
そして、爆弾発言を葉山がした。
「あのっ、俺とレイは…。」
「!!!」
はあぁ。
まずい。
非常に、まずい。
俺、アウェイ状態だ…完全に。
それより、ゆまが俺の方を向いてくれない。
まずい。
どうすればいいんだ…。
はあぁ。
涙が流れ落ちる。
「ゆま…こっちむいて?」
返事がない。
はあぁ。