MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】



当然、車内でゆまは一言も喋らず。

将君が、あれから城田さんと連絡が取れない、と、力なくいうと、一層車内の空気は重くなった。


「今、俺が我慢できなくて病院へ押し掛けたら、レイに迷惑かけちゃうだろうし…でも、浜田さんがつかまえてくれて良かった。これで、話ができる。俺、もう限界だったし。」


将君が、ため息をついた。

父さんが、体のこともあるから、とりあえず部屋をとったから、気分がわるくなったら、部屋に行って休むんだぞ、とグランドヒロセ横須賀の駐車場で仏頂面のゆまに話しかけていた。


で、結局。


俺の謝罪も、ゆまが話をしようとしても受け入れてくれず…。


かなり疲れている様子で、イライラしていた。

聞けば、夜勤続きで、3日で5時間の睡眠…。

会話も、自分の殻にとじ込もってしまったようでとりつくしまもない。


挙げ句の果てには。

立ち上がり歩き出した城田さんは、ふらついて危機一髪で将君が、抱き止めた。

本当に疲れているらしい。

そのまま、将君の腕の中で眠ってしまった。



将君に頼まれ、ゆまは予約した部屋を譲ると、立ち上がった。

そして。


「きくや、帰ろう。」


家を出てから、俺に初めて声をかけてくれて、ホッとした。


だけど・・・。


帰宅するなり、ゆまが地下の部屋に俺を連れて行った。

そして、俺を地獄に落とした。



「きくやを見損なった!離婚したい。」


キラキラと光る瞳で俺を見下ろすゆま。

知らないうちに、俺は、腰を抜かしていた。

必死で、床を這い、ゆまにしがみつく。


「ゆ、ゆまっ!俺やだよぉー、生きていけないっ!」


父さんが慌てて、ゆまをとりなすが。


「じゃあ、将君の恋が上手くいくように、応援して!」

「わ、わかった!だから、俺をすてないでー!!」


涙とヨダレで、顔がぐちゃぐちゃだけど、そんなことかまっていられない。


ゆまを離さない!






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