MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
振り返ると。
そこには、ブルーのドレスの長身の女性がたっていた。
長い髪に、少しつり目の大きな目。
スタイルが抜群にイイ。
そして、タバコを咥えている。
暫く、ポカン、としてしまった。
「ね、火をかして。」
もう一度発せられた言葉で、我に返り、ポケットを探る。
ポケットにはあるはずのない赤い塗りのライター。
あ、レイのだ。
手にとって、まじまじと見てしまった。
「何だ、持ってるじゃない。」
そう言うと、その女性は俺の手からライターをとり、慣れた手つきでタバコに火をつけた。
そして、火をつけたのに何度か手の中でライターをカチカチとつけた。
それは、愛おしいものを見るような、瞳をむけて。
そして、あっさりと、俺の手にもどした。
「ありがとう。大切なものなの。ずっと、大事にしてね?」
俺は、ライターの事をいっているのだろうが、なんだか意味ありげで戸惑ってしまった。
そして。
その人は、俺に笑いかけると、おめでとう、といってタバコを咥えながら、去って行った。
不思議な。
何とも言えない時間だった。
例えるなら、どこかで会った人なんだけど、どうしても思い出せないような…。
今の人は誰だったんだろう…。
だけど、格好イイ人だったな。
そんな思いにふけっていたら、向こうから葉山さんがやってきた。
「将ぐぅぅん…。」
ぐちゃぐちゃな顔で泣いている…。
はぁあぁぁ。
面倒くさい。
悪い人じゃないんだけど、この人と兄弟になるのは、これからかなり面倒くさいことがあるんだろうな…と、ついため息がでた。
だけど、ま。
レイの大好きな兄ちゃんだもんな。
面倒だけど、仲良くしよう。