MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
★芝崎孝太郎のため息
はあ。
何だよ。
何なんだよ。
レイさんはそりゃぁ、イイ女で。
格好イイ女だけど。
ウエディングドレスのイメージなんか全然わかなかったのに。
スゲー、ってゆうか。
無茶苦茶綺麗じゃねーか。
シンプルなラインの綺麗なノースリーブのタイトなドレス。
上質の絹だろう、光沢が見事だ。
シンプルなドレスに対して、とびきり豪華なレースのベール。
ゴテゴテした装飾は一切ないウエディングドレス。
ただ、シルエットと素材の上質さで、レイさんの美しさを引き立てている。
夕真さんが写真を撮ってくれと言うまで、俺はただただ、レイさんにみとれていた。
レイさんに初めて会ったのは、将さんが青山流華道会館で婚約発表をした日だった。
一目見て、タイプだと思った。
てゆうか、こんなイイ女見たことがなかった。
レイさんの事は―――
将さんと戸田さんが散々ナンパまがいのことをしてガン無視だったのに、具合の悪くなった戸田さんを親身になって助けたとか…菊弥先生に水をぶっかけたとか、志摩さんに説教をしたとか、夕真さんを黙らせたとか、とにかくあの将さんが骨抜きにされたとか。
あり得ない噂話は色々聞いていたけど。
本人を目の前にして、一瞬で納得がいった。
しかも、その日レイさんが来ていたスーツは俺が気に入っていつも着ているスペインのブランドのもので。
日本人でこんなに格好よく着てる女を見たのは初めてで。
…多分、俺もその時に一目ぼれだったと今になって思う。
だけど、将さんの婚約者で。
でも、飲みに行って話をしたら、やっぱすげぇ好きだと思って…普段の将さんの性格を知っているから、もしかしたら奪えるかも…なんて下衆なことを考えたりした。
結果は玉砕。
レイさんは、ありのままの将さんに惚れていた。
そして。
物の見事に振られた揚句。
「人生舐めんな。」と説教までされた。
そのうえ、「人生を人任せにするな、自分の人生だから自分で決めろ。」と言われた言葉が、迷いのあった自分の心に入り込んできて。
俺は、人生の選択をした。